陸地に浮かぶ巨大な船 栫ノ原遺跡(鹿児島県加世田市)
 薩摩半島南部、鹿児島県加世田市の町中には遠目にまるで海原に浮かぶ船のような形の丘があります。 栫ノ原とよばれるその場所は縄文時代草創期の遺跡で、上野原にもある煙道付き炉穴や、丸ノミ形石斧などが見つかっています。今はただのっぱらに看板が立っているだけなんですが、天気さえ良ければなかなか気持ちの良いのっぱらです。とはいえただの野原を見にここまで来る観光客はいないでしょう。
 縄文遺跡を訪ね歩いていると、その多くは共通した特有の雰囲気につつまれているのに気が付きます。周囲は荒々しい自然にかこまれていてもなぜかそこは、ほっとする優しさがわき出ているような、そんな空気を感じることもあります。たとえば 栫ノ原のすぐ隣の吹上浜周辺。亀ヶ岡遺跡のある津軽半島の七里長浜。寺野東遺跡脇の水田に面した土手。など、それぞれ全く異なった気候風土の土地ながら、どこか共通の雰囲気を醸し出しているように感じます。

加世田市では遺跡公園として整備する予定があるようです。

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