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ゲンミ峠を上から見ると、
こんな断崖絶壁

 氷河鉄道がツエルマット方面の谷に入り込んで行く町フィスプを越えて、ローヌ渓谷をもっとレマン湖方面に行くと、幾つか山歩きの根拠地として相応しい町々があります。

谷の右側(北斜面)に、ローマ時代からアルプスを越えられる数少ない峠の一つであったゲンミ峠(2.322m)の出発点として、ロイカー・バート(1.424m,これはゲンミ峠ケーブル・カー駅の標高で、町全体は急勾配の斜面に立つ)が有名であり、又シエールからフニクレール(*)で登ると、ゴルフやマウンテン・バイクの根拠地として有名な高級リゾート地、クラン・モンタナ(1.497m)と言う町があります。

ロイカー・バートは名前の通り温泉地ですが、絶壁が大迫力のゲンミ峠をケーブル・カーで登り、ダウベン湖の横を抜けて4時間歩けば、エンクストリゲン・アルプ(1.954m)を越えてから又ケーブル・カーで降りて、アーデル・ボーデン経由バスを乗り継いでフルーテイゲン駅まで抜ける事が出来ます。途中氷河から流れ出る川を渡りますからストックは忘れずに。カンデルステク方向は少し景色が良くないけど2時間半で行けます。

お勧めは、実は、ローヌ渓谷から南の方に枝分かれしているアニヴィエの谷で、チナール(1.653m)やサン・リュック(1.655m)更にはグリメンツ(1.564m)と言う村々があって、それぞれに美しい展望を楽しめます。特にチナールです。

私の場合は、お天気に恵まれない場合を考えて少し長逗留するので、そうなると展望の悪い谷間の町や、余り惨めなホテルには泊まりたく無いと考えるものですから、シエールやシオンと言うローヌの谷あいの町は考慮外になります。それで渓谷の北斜面クラン・モンタナなどに宿をとる事になります。

ローヌ渓谷の鉄道駅名で言うと、ロイクとシエールの間で言葉がドイツ語からフランス語に変わります。ドイツ語領域ではフランス語英語が少しは通じますが、フランス語領域では実に見事にドイツ語は通じなくなります。そしてホテルですら、英語が良く通テキスト ボックス:  
チナールから見える山々:真ん中がチナール・ロートホルン
じない。今でも旅行者が少なく、昔のスイスが残って居ると言う事が出来ます。

グリメンツにもチナールにも三つ星ホテルが何軒か有りますが、これらの地点からは谷の突き当たりの山しか見えません。グリメンツからはダン・ブランシュ(4.357m)が見えますが、チナールからは、余り見栄えのしない形のベッソ(3.667m)しか見えませんので、それで、これらの村にお泊まりになるのは、余りお勧め出来ないのです。但しサン・リュックは高台で見晴らしも良く、立派なホテルが有ります。グリメンツとチナール間には直通バスがあって、一日に何回か走ります。

このアニヴィエの谷に行くバスはシエールから出るのですが、バスの行く先はグリメンツで、サン・リュックやチナールに行くには、谷が二股に分かれるヴィソワーと言う村でバスを乗り継ぐ必要が有ります。

チナールに着いたらバス停を少し戻るとケーブル・カー駅があって、30分毎に出て居ますから、これでソルヴォワに登ります。ケーブルが登るにつれて谷越しにヴァイス・ホルン、チナールロートホルン(4.221m)やオーバー・ガーベル・ホルン(4.063m)が、実に見事な姿 写真チナール谷を現します。南方向に目を向けると遙かにマッター・ホルンも望見されます。

このソルヴォワからは、真っ直ぐにチナールに降りる道(歩行時間1時間)がありますが、この谷は少し降りるともうお目当ての山々が見えなくなりますから、南方向ラ・ラッタに向かって歩きましょう。ラ・ラッタの手前で左に折れるとチナールまで2時間弱の道です。ラ・ラッタを通って大回りしても2時間半強。

フランス語地域は道標が不確かな場所が有りますから、25.000分の1の地図は忘れずに携行して下さい。又ケーブルを使う登山電車は、フランス語地域ではフニクレール*と称し、他の言葉(例えばドイツ語でザイル・バーン)を使うと通じないか、思って居る処とは別な場所の空中ケーブルと間違えられます。

                              ( 南 記 )




スイスの山歩き(その7)